米国CPI前年同月比+5.0%でも米国債利回りは低下

NEKO PARTNERS INC. マネージングディレクターの岩倉です。


米労働省が6月10日に発表した5月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比5.0%(予想4.7%)の上昇、2008年8月以降では最も高い伸びとなりました。エネルギーと食料品を除いたコアCPIは前年同月比3.8%(予想3.5%)、前月比(季節調整値)ではCPIが0.6%、コアCPIが0.7%の上昇です。


米国ではCPIの上昇が懸念されていますが、比較される前年同月の数字は新型コロナウイルスの感染拡大によって落ち込んだ時のものです。経済活動再開による需要の急激な増加でインフレ率が上昇し、伸び率が急激に見えるのはこのベース効果も大きな原因です。問題は、この物価上昇が一時的なものなのか?継続的なものなのか?という点です。




CPIの発表は市場予想を上回る伸び率でしたが、この発表を受けて10年物米国債利回りが3ヵ月ぶりの低水準となる1.4638%まで下落しました。「インフレ上昇圧力は一時的なもの」というFRBの見解と市場の分析がほぼ一致した結果だと言えるでしょう。


CPIをカテゴリーで見ると、レンタカーや輸送用トラック、中古車、航空運賃が大きく上昇しており、新型コロナウイルスの感染拡大で大きく影響を受けたモノやサービスが急激に回復していることを示唆しています。急激な需要回復に対して、生産増による材料や労働力の不足も価格上昇の一因となっています。この需給バランスの崩れとも言える状況が現在の物価上昇を招いていると考えるのは合理的であり、この現象は一時的なものというFRBの見解も理解できます。


今週の相場展望

11日のニューヨーク市場では、CPIが予想を上回ったもののインフレは一時的というFRBの見解を支持する流れとなり、S&P500が+0.19%で最高値を更新するなど堅調に推移しました。終値はダウ平均は前日比+13.36(0.039%)34,479.60、S&P500+8.26(0.19%)4,247.44、NASDAQ+37.95(0.27%)13,998.30となっています。


東京市場では、米国のCPIの発表やメジャーSQを週末に控え様子見ムードの展開でした。週末11日の日経平均終値は-9.83(0.034%)28,948.73円でした。


日経平均株価は5日移動平均線を中心とする価格帯で上下しています。下値は28,600円、上値は29,100円辺りがそれぞれ支持と抵抗となり、狭いレンジ内での膠着した展開が予想されます。FOMC(連邦公開市場委員会)を15日に控え、様子見のムードに方向感の欠ける相場となりそうです。FOMCの焦点はテーパリングに関する議論を開始するかどうかという点ですが、CPIの結果から見てもまだその段階には至らないでしょう。米国債金利も落ち着いており、現段階で大きなリスクはありません。


NEKO PARTNERS INC.

Managing Director/Public Relations

FUMITO IWAKURA


13th Jun 2021